尾瀬紀行2009
アヤメ平、三条の滝、尾瀬沼
今年も尾瀬を訪ねることが出来ました。今回は鳩待峠からアヤメ平に上り、尾瀬ヶ原に下りてから三条の滝を往復し、尾瀬沼を回る2泊3日の旅でした。7月6日から8日までの日程で、最初の2日は傘いらず、薄日が差す程度という歩くのには絶好の天候に恵まれました。
新宿を高速バスで7時50分に出発し、戸倉で乗り換えて12時半には鳩待峠に着きます。至仏山の途中まで行くつもりだったのですが、時間も少なく年齢も考えて山の鼻往復に変更しました。ニッコウキスゲは咲き始めていました。最近シカの食害で、一面黄色の景観は見られなくなってしまいました。ヒオウギアヤメ(左)とカキツバタ(右)の違いを観察したり、ヒメシャクナゲのかわいらしい花を楽しんだりしました。翌朝、宿の窓から朝日に照らされた至仏山(2228m)( ⇒ 写真)がきれいでした。夜行できたのでしょうか、早朝から多くの登山者がバスから下りてくるのが見えました。
2日目、宿からしばらく急な上りが続きます。やがて道が緩やかになってマイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、ミヤマツボスミレなどが両脇に並んで歓迎してくれています。真っ白いギンリョウソウもところどころに混じっていました。ほどなく開けた湿原に出ました。横田代です。静かな、雰囲気の良いところです。ワタスゲの白い穂に混じってタテヤマリンドウ(上左)やコイワカガミ(上右)、モウセンゴケ(上左)、ショウジョウバカマ(下右)などが生えているのを写真に撮ったりしながらゆっくり進みました。
横田代から中原山(1968m)の最高点を過ぎると目指すアヤメ平に到着です。キンコウカの葉をアヤメと見誤って「アヤメ平」の名がついたと言うのですが、本当でしょうか。昭和30年代に踏み荒らされてしまったので、木道を整備したり植生の回復作業が50年近く続けられていますが、いまだにパッチワーク状態で、寒冷地の自然の回復がいかに困難か思い知らされます。中原山では見事なベニサラサドウダン(左)の群落がありました。湿原にはよく似たウラジロヨウラク(右)も開花していました。
富士見峠から龍宮まで一気に約500m下ります。膝を痛めないように慎重に足を運ぶのでした。同行シルバー5人だれも杖を持っていないのには感心しました。原に出るとトキソウ(左)の淡いピンクやサワラン(右)の赤が目につきました。昨年6月には芽生えをした直後で勲章のようだったモウセンゴケもすっかり葉を延ばしていました。もう少しすれば白い可愛い花をつけることでしょう。燧ヶ岳(2356m)( ⇒ 写真)も頂上まで美しい姿を見せてくれています。
見晴十字路の小屋に荷物を置いて平滑の滝( ⇒ 写真)を見に行くことにしました。下田代の湿原ではハクサンチドリや地味なオゼタイゲキが目を惹きました。写真を撮りすぎたのかバッテリーが赤信号。スイッチを小まめに切るなどして延命作戦を図ることにしました。温泉小屋で”大丈夫だよ”と言われ、天候も安定していたので、三条の滝( ⇒ 写真)まで足を伸ばしてしまいました。半世紀ぶりの再会でした。相変わらずの堂々たる滝で、頑張って来て良かったと感動しました。(写真:竜宮から見た至仏山)3日目は朝から雨。同行の「晴れ男」もそこまでは面倒見切れなかったようです。尾瀬沼への道は半ば以上木道が敷かれていて昔に比べると遙かに歩きやすいコースになっていました。大江湿原ではヒメザゼンソウを目指して昨年見かけた地点に行ってみましたが、秋に木道の工事が行われたとのことで、そのせいかそれらしい葉を見ただけで花はありませんでした。後は三平峠を越えてひたすら歩くのみ、一ノ瀬休憩所から大清水まで何と30分で行ってしまいました。何とも健脚の年寄り達でした。