三輪緑地の自然-草本(春)
2023/6/9更新
アカネ |
アカネ(アブラナ科 2206) 茜。根が赤く、茜染めに使われる。つる植物で、ハート型の葉が4枚輪生する。(正確には葉は2枚、托葉が2枚) |
ナズナ |
ナズナ(アブラナ科 2103) 薺。ペンペングサでお馴染み。三角形の果実を三味線のばちに見立てた。春の七草の一つ。春先の若い葉を粥に入れたりする。 |
タネツケバナ |
タネツケバナ(アブラナ科 2103) 種漬花。この頃になると稲の種子を水に漬けて準備が始まる。最近、路傍にはミチタネツケバナが広がっている。 |
ショカツサイ |
ショカツサイ([オオアラセイトウ]アブラナ科 2103) 諸葛菜。ムラサキハナナとかハナダイコンなど名前が多い。空き地などに一面に咲くと美しい。 |
シャガ |
シャガ(アヤメ科 2004) 射干。やや日陰の場所を好んで生える。古く中国から渡来した。繁殖力が強く、抜いた株を捨てるとその場所で増えてしまう。 |
チゴユリ |
チゴユリ(イヌサフラン科 2104) 稚児百合。庭に生えた一株があっという間に広がった。町田では普通だが、九州では絶滅危惧種のところがある。 |
ホウチャクソウ |
ホウチャクソウ(イヌサフラン科 2104) 宝鐸草。お寺の軒先に下がっている宝鐸(風鐸)に形が似ている。若芽は有毒。チゴユリのようには開かない。 |
タマノカンアオイ |
タマノカンアオイ(ウマノスズクサ科 2104) 多摩の寒葵。多摩丘陵に分布している。ローカルな種類で他では珍しい。花は落ち葉に隠れて咲く。絶滅危惧Ⅱ類 |
オオイヌノフグリ |
オオイヌノフグリ(オオバコ科 2004) 大犬の陰嚢。早春からコバルトブルーの小さい花をたくさん咲かせ可愛らしい。イヌノフグリは花がピンクで、少ない。 |
ホタルブクロ |
ホタルブクロ(キキョウ科 2206) 蛍袋。釣鐘草の名もある。子どもがホタルを入れて遊んだとか。白い花もある。山地では色が濃くなる傾向がある。 |
ヤマホタルブクロ |
ヤマホタルブクロ(キキョウ科 2206) 山蛍袋。萼片の谷間に反り返る小さな付属体がないのがホタルブクロとの区別点。隣接して生えていることもある。 |
ムラサキニガナ |
ムラサキニガナ(キク科 2206) 紫苦菜。林内の暗いところに生えていて気がつきにくい。下部の葉は大きく切れ込み独特の形となる。珍しい。 |
カントウタンポポ |
カントウタンポポ(キク科 2004) 関東蒲公英。在来種のタンポポ。総苞片が反り返らず、花筒を押さえている。撹拌されていない土地では結構生えている。 |
セイヨウタンポポ |
セイヨウタンポポ(キク科 2004) 帰化種のタンポポ。総苞片が反り返っている。町中の9割は在来種との雑種だとの研究がある。花の天ぷらは意外と美味。 |
シロバナタンポポ |
シロバナタンポポ(キク科 2103) 白花蒲公英。町田では少ないが、九州・四国ではシロバナが普通の所もあるという。他種より花びら(舌状花)の数が少ない。 |
ニガナ |
ニガナ(キク科 2004) 苦菜。キク科の花は”花びら”一枚が一つの花で、”花びら”は舌状花といわれる。ニガナは5つの舌状花が合わさった構造になっている。 |
イワニガナ |
イワニガナ(キク科 2203) 岩苦菜、ジシバリ(地縛り)で知られる。日当たりのよい山野に多い。地面を覆うように広がる。近縁種にオオジシバリがある。 |
オオジシバリ |
オオジシバリ(キク科 2004) 大地縛り。茎が地面を這って覆う様は、地球を縛っていると見たてた。これも舌状花だけが一重に並んでいる。 |
フキ |
フキ(キク科 2004) 蕗の薹はフキの花。舌状花はなく、管状花だけが集まっている。春の山菜として利用されている。大型のアキタブキはフキの変種。 |
ハルジオン |
ハルジオン(キク科 2004) 春紫?。蕾は赤みを帯びうなだれる。茎は中空。葉は茎を抱く。多くの舌状花と中心に管状花がある。ヒメジョオンと似ている。 |
オニタビラコ |
オニタビラコ(キク科 2004) 鬼田平子。茎を伸ばしてその先にたくさんの花をつける。茎は長いと1mにもなる。アオオニとアカオニに分けられた。 |
ヤブタビラコ |
ヤブタビラコ(キク科 2104) 藪田平子。やや湿ったところや林の陰に生える。コオニタビラコと似ているが全草軟毛があるのが区別点となる。 |
コオニタビラコ |
コオニタビラコ(キク科 2104) 小鬼田平子。春の七草の一つ(ホトケノザ)。田圃など湿地に生える。 |
ペラペラヨメナ |
ペラペラヨメナ(キク科 2104三輪町) ハルジオンやヒメジョオンより弱々しい感じがする。石垣などを好む。花の色が白からピンクに変わる。中米原産。 |
コウゾリナ |
コウゾリナ(キク科 2104) 髪剃菜。剃刀菜から転じたとされる。茎や葉に堅いトゲがあるが、手が切れるほどではない。山野から路傍まで広く広がっている。 |
ノアザミ |
ノアザミ(キク科 2104) 野薊。初夏に咲くアザミで野原などに多い。葉にトゲがあり痛い。総苞片は反り返らず、粘る。秋に似た花が咲き、それはノハラアザミ。 |
キツネアザミ |
キツネアザミ(キク科 2104) 狐薊。上の方で枝分かれする。アザミの仲間ではなく、トゲもない。草原や空地によく生える。狐に騙されてアザミと思うから。 |
ケキツネノボタン |
ケキツネノボタン(キンポウゲ科 2004) 毛狐の牡丹。動物名はよく使われる。葉がボタンに似ていると見て名がつけられた。茎に毛が多い。 |
ウマノアシガタ |
ウマノアシガタ(キンポウゲ科 2104) 馬の足形。葉の形が茎の位置によって違う。根生葉が馬の蹄に似ているとみられた。有毒植物。 |
ニリンソウ |
ニリンソウ(キンポウゲ科 2004) 二輪草。一面に群生している様子は見事(トップ写真)。普通は二輪ずつ咲く。花びらはなく、萼が花弁状になっている。 |
イチリンソウ |
イチリンソウ(キンポウゲ科 2004三輪町) 一輪ずつ咲く。ニリンソウより花は大きい。葉は3出複葉で、さらに細かく切れ込んでいる。 |
ヒメウズ |
ヒメウズ(キンポウゲ科 2103) 姫烏頭。烏頭はトリカブト。小さくて気がつきにくい。花びらに見えるのは萼で、内側に壺状に並ぶ花弁がある。 |
カラマツソウ |
カラマツソウ(キンポウゲ科 2206寺家) 唐松草。低地から高山まで草地や林の縁などに生える。花弁はなく多数の雄しべが放射状に並ぶ。その様子が唐松のよう。 |
ジャノヒゲ |
ジャノヒゲ(クサギカズラ科 2306) 蛇の髭。葉の形を、能面「尉(じょう)」の顎髭に見立てた。別名リュウノヒゲ。広く分布し、林内に多い。 |
オオアマナ |
オオアマナ(クサスギカズラ科 2304) 大甘菜。アマナに似ているが、花茎が分枝する。観賞用植物として明治末期に渡来した。有毒植物。 |
アマドコロ |
アマドコロ(クサギカズラ科 2104) 甘野老。葉の付け根から1、2個の花がぶら下がる。林内に多い。茎が角張るのがナルコユリとの区別点。 |
ムラサキケマン |
ムラサキケマン(ケシ科 2004) 有毒植物。けまん(華鬘)とは仏殿の内陣や欄間などにかける仏具。うちわ型で、つないでつるす。それに見たてたもの。 |
オカトラノオ |
オカトラノオ(サクラソウ科 2105) 丘虎の尾。白い小さい花が房になって咲く。虎の尻尾のように感じられたもの。草地などに多い。 |
コナスビ |
コナスビ(サクラソウ科 2305) 小茄子。広く分布し、庭や草原に低く広がる。果実は球形で小さなナスに見立てた。
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ウラシマソウ |
ウラシマソウ(サトイモ科 2004) 浦島太郎が釣り糸を垂れている。仏炎苞の中に雄しべまたは雌しべのみの花がある。性転換することが知られている。 |
ヒメオドリコソウ |
ヒメオドリコソウ(シソ科 2004) 姫踊り子草。上部で重なった葉の間から小さい花が顔を出す。しばしば放棄された畑で大群落を作る。オドリコソウは少ない。 |
オドリコソウ |
オドリコソウ(シソ科 2104三輪町) 踊り子草。やや日陰の所に生える。唇形の花が輪生につく様は踊り子が並んでいるように見える。 |
カキドオシ |
カキドオシ(シソ科 2004) 茎が伸びて垣根を越えていくので垣通し。春の野原では近縁のシソ植物がいくつかある。花も似ていて区別に困る。 |
キランソウ |
キランソウ(シソ科 2004) 金瘡小草。一名「地獄の釜の蓋」、地面を這って一面に広がる。濃紫色の花が目を惹く。早春から里山を彩っている。 |
ツクバキンモンソウ |
ツクバキンモンソウ(シソ科 2004) 筑波金紋草。今年初めて出会った。隣接する横浜市寺家で25年ほど前の記録があり、再確認できた。大切に守りたい植物。 |
アキノタムラソウ |
アキノタムラソウ(シソ科 2206寺家) 秋の田村草。意味は不明。初夏から野原に普通。ナツノタムラソウは低地にはない。
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オカタツナミソウ |
オカタツナミソウ(シソ科 2206) 丘立浪草。浮世絵に描かれた波を思わせる。いくつか似た仲間があり、これは茎に下向きの毛がある。 |
タチツボスミレ |
タチツボスミレ(スミレ科 2004) 立壺菫。ハート型の葉と立ち上がる茎、薄紫色の花。スミレとともによく知られている。早春の里山の主役。 |
コスミレ |
コスミレ(スミレ科 2203) 小菫。やや三角形の長卵形の葉は5cmにもなり、葉柄も長い。花柄に2枚の細い苞葉がある。早春の林縁などに咲く。 |
ウマノミツバ |
ウマノミツバ(セリ科 2105寺家) 馬之三葉。葉は3つに切れ込むが、5裂にも見える。食用にはならず、馬の餌にはなると考えられた。林の縁などに普通。 |
ヤブニンジン |
ヤブニンジン(セリ科 2104) 藪人参。春先に林の中などやや暗いところに生えている。葉がニンジンを思わせるところから付いた名前。 |
オヤブジラミ |
オヤブジラミ(セリ科 2104) 雄藪虱。細く切れ込んだ大きい葉に、小さい白い花を付ける。果実にトゲがあり衣服につく。野原や林縁に多い。 |
アシタバ |
アシタバ(セリ科 2303) 明日葉。暖地の海岸沿いの林縁に自生している。生命力が旺盛で食用に栽培もされる。
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フタリシズカ |
フタリシズカ(センリョウ科 2305) 二人静。花弁や萼はなく、雄しべと雌しべからなる花を付けた花序が二本立つことが多い。この写真のようなこともある。 |
アレチギシギシ |
アレチギシギシ(タデ科 2305) 荒地羊蹄。欧原産。花はまばらにつき、花穂は赤みを帯びる。他のギシギシと比べて葉が小さい。 |
ナガバギシギシ |
ナガバギシギシ(タデ科 2305) 長葉羊蹄。欧原産。葉が大きく長く、縁が波打つ傾向があり、沢山の果実を付ける。この類は果実が見分けやすい。 |
トウダイグサ |
トウダイグサ(トウダイグサ科 2004) 灯台草。上部で放射状に分かれた枝の先に丸い葉が集まり、黄色い花が咲く。これを燭台と見て名がついた。有毒植物。 |
ノミノフスマ |
ノミノフスマ(ナデシコ科 2004) 花弁は深く切れ込み、10枚あるように見える。ナデシコ科の特徴。畑の雑草の一つ。ノミが葉をふとん(衾)にするとか。 |
コハコベ |
コハコベ(ナデシコ科 2103) 小繁縷。難読漢字になりそう。春の七草の一つ。似たものにミドリハコベがあり、コハコベの方がおしべの数1~7本と少ない。 |
ヤセウツボ |
ヤセウツボ(ハマウツボ科 2305) 痩靫。南欧原産。マメ科などの植物に寄生する。葉緑素を持たず、全体が褐色。
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キジムシロ |
キジムシロ(バラ科 2203) 雉莚。葉は奇数羽状複葉で地表に広く拡がるので、キジが休むのに良いと考えられた。
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ミツバツチグリ |
ミツバツチグリ(バラ科 2203) 三葉土栗。春先に日当たりの良い草地に生える。葉は3枚の小葉からなる3出複葉。
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ヘビイチゴ |
ヘビイチゴ(バラ科 2004) 蛇苺。野原のイチゴ。赤い実がつく。食べられるが、何の味もしない。よく似たヤブヘビイチゴ、5葉のオヘビイチゴもある。 |
オヘビイチゴ |
オヘビイチゴ(バラ科 2105寺家) 雄蛇苺。湿地を好んで生え、根生葉は5枚の掌状複葉。茎が這って広がる。ヘビイチゴより大きく名に”雄”がついた。 |
ハナニラ |
ハナニラ(ヒガンバナ科 2103) 花韮。繁殖力が強く、園芸植物が逸出して広がっている。ネギのような匂いがあるが、有毒なので要注意。 |
ヤハズエンドウ |
ヤハズエンドウ([カラスノエンドウ]マメ科 2004) カラスノエンドウの名で知られていた。しばしば群生する。鞘は熟すると黒くなり、はじけて種子を飛ばす。 |
ゲンゲ |
ゲンゲ(マメ科 2104) 紫雲英。レンゲのほうがお馴染み。かつて緑肥として田に蒔かれたが、春の風物詩としてのレンゲ田は少なくなった。 |
ヤマネコノメソウ |
ヤマネコノメソウ(ユキノシタ科 2004) 山猫の目草。花は上向きにまとまって咲く。実は割れて黒い種子が見えるようになる。猫の目に見えますか。 |
ユキノシタ |
ユキノシタ(ユキノシタ科 2305) 雪の下。湿った場所を好む。5枚の花弁のうち2枚が長い。観賞用に植栽される。食用・薬用になる。 |
タンチョウソウ |
タンチョウソウ(ユキノシタ科 2004) 丹頂草。中国から朝鮮原産。モミジのような大きな葉と白い多数の花が咲くのが好まれ、植栽されている。 |
シュンラン |
シュンラン(ラン科 2103) 春蘭。緑色の花は珍しい。ランは菌と共生していて栽培は難しい。珍しいランは盗掘され絶滅危惧種が多い。山で楽しみましょう。 |
キンラン |
キンラン(ラン科 2104) 金蘭。三輪緑地では少ない。木を伐採すると復活することがある。コナラ等に寄生するラン菌に依存しているので、栽培は困難。 |
アメリカクサイ |
アメリカクサイ(イグサ科 2305) 草藺。山野の道端、草地などに生える。葉鞘と葉身の境に葉耳がある。クサイと区別しにくい。踏みつけに強い。 |
ケスゲ |
ケスゲ(カヤツリグサ科 2004) 毛菅。長い葉の間から穂を伸ばすスゲの仲間は、皆似ていて区別が難しい。全草細かい毛で覆われている。 |
カンスゲ |
カンスゲ(カヤツリグサ科 2303) 寒菅。葉は厚くて幅広く、冬でも青々している。かつて蓑や傘の材料として利用された。先端に雄花序、下に雌花序がつく。 |
ヒメカンスゲ |
ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科 2303) 姫寒菅。春先に目立つ。茎の先端に雄花序が、雌花序は下の方に付く。
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ゴウソ |
ゴウソ(カヤツリグサ科 2306) 長刀茅。湿地を好む。先端に細長い雄花序がつき、太めの雌花序は細い柄があって垂れる。
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ジュズスゲ |
ジュズスゲ(カヤツリグサ科 2306) 数珠菅。花穂は直立する。頂につく雄花序は隠れて見にくい。緑色が濃い。全国的に分布。 |
マスクサ |
マスクサ(カヤツリグサ科 2306) 桝草。道ばたなどに広く分布している。小穂は雌花がたくさんつき、基部に雄花があるが分かりにくい。 |
モウソウチク |
モウソウチク(イネ科 2102) 孟宗竹。最大の竹。葉は逆に小さい。かつては有用だった竹林が放置され、林に侵入している例が多い。 |
クサヨシ |
クサヨシ(イネ科 2105) 草葦。ヨシより早く初夏に上向きの穂を付ける。湿地や川辺に普通。休耕田をヨシと共に占拠する。写真は葉に斑がが入っている。 |
スズメノテッポウ |
スズメノテッポウ(イネ科 2203) 雀の鉄砲。春の水田雑草の一つ。害を与えるほどのことはないらしい。イネ科の植物は満開でも雄しべが顔をを出すだけ。 |
カモジグサ |
カモジグサ(イネ科 2305) 髢草。道ばたに普通。花穂は弓形に垂れる。小穂や長い芒が紫色を帯びる傾向がある。護頴と内頴がほぼ同長。 |
アオカモジグサ |
アオカモジグサ(イネ科 2305) 青髢草。カモジグサとよく似ている。小穂や長芒は紫色を帯びない。内頴は護頴より短い。枯れると芒が反り返る。 |
イヌムギ |
イヌムギ(イネ科 2305) 犬麦。南米原産で明治初年に牧草として渡来。各地の草地や道ばたに普通。扁平な小穂が特徴。イネ科には動物の名がついた種が多い。 |
ネズミムギ |
ネズミムギ(イネ科 2305) 鼠麦。明治時代から牧草として導入され、今やごく普通。芒がないホソムギや両者の雑種ネズミホソムギがあって、区別が難しい。 |
カニツリグサ |
カニツリグサ(イネ科 2305) 蟹釣草。各地の草地や道ばたに普通。やや弱々しい植物。よじれた芒を持つ。小穂は黄色みを帯びる。 |
ヒデリコ |
ヒデリコ(イネ科 2306) 日照子。水田など湿ったところに生える。小さく卵形で褐色の小穂を付ける。
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