多摩の自然雑記帳 Vol.3(2020~2022)
2023.7.2掲載
多摩の自然雑記帳 Vol.3目次
つる植物5
左:キジョラン、鬼女蘭。名は蘭ですが、ガガイモ科の植物。種子に長い毛があり、実がはじけると鬼女が髪を振り乱したような姿になります。高尾山に沢山生えていますが鬼女はなかなか見つかりません。アサギマダラの食草としても有名です。[2212]
右:トキリマメ、吐切豆(マメ科)。秋になると赤い莢を付けるので、目立ちます。中に2個の種子が入っています。[2210]
ごく普通に見られる植物ですが、果実はなかなか見られません。左:コヒルガオ、小昼顔(アサガオ科)。植え込みに被さったり、フェンスに絡んだりしています。結実性が悪く稀に実がなります。[1707]
右:ヤブカラシ、藪枯らし(ブドウ科)。ヒガンバナや栽培バナナと同じく3倍体で結実しません。まれに2倍体があり実を見ることが出来ます。[0610](2023.1)
つる植物4
左:ツルウメモドキ、蔓梅擬(ニシキギ科)。名の通り葉がウメに似ています。淡黄色の果実が割れて開くと赤い種子が顔を出します。その様子は美しく、生け花やリースによく用いられます。
右:ヒヨドリジョウゴ、鵯上戸(ナス科)。林縁などで見かけます。秋になると赤い実を付け目立ちます。名前ほどヒヨドリが好むわけではなさそうです。食べられません。
左:ノブドウ、野葡萄(ブドウ科)。林縁などの低木によく絡んでいます。果実は白色ですが、虫が寄生すると青や紫色になります。不味く、野葡萄酒が造られたりします。
右:エビヅル、蝦蔓(ブドウ科)。ノブドウと似ていますが、果実は房状に付きます。葉に切れ込みがありますが、先は丸くなっています。葉の裏に毛があり白く見えます。食べても不味い。(2023.1)
つる植物3
左:ヤマノイモ、山の芋(ヤマノイモ科)。雌雄異株でこれは雌株。既に果実がかなり育っています。果実は3稜でそれぞれ薄く円形の種子が一つずつ出来ます。数年育ったものから自然薯が取れます。葉の付け根にムカゴが出来ます。これも食べられます。
右:オニドコロ、鬼野老(ヤマノイモ科)。路傍でよく見かけるヤマノイモ科の植物です。雌雄異株でこれも雌株。こちらの果実も3稜ですが種子は楕円形をしています。食べられません。
左:ナガイモ、長芋(ヤマノイモ科)。雌雄別株の栽培種。駐車場のフェンスに絡んでいました。いくつかの品種があります。ナガイモもムカゴがとれます。
右:エビヅル、蝦蔓(ブドウ科)。雌雄異株のつる性落葉木本です。前回のノブドウと似ていますが、果実は房状に付きます。葉に切れ込みがありますが、先は丸くなっています。葉の裏に毛があり白く見えます。食べても不味い。
左:ヒヨドリジョウゴ、鵯上戸(ナス科)。全草に柔らかな毛を持ち、花びらは反り返っています。秋になると実が赤く熟して絡んでいる様は美しい。ヒヨドリが特に好きなわけではなさそうです。食べられません。
右:アオツヅラフジ、青葛藤(ツヅラフジ科)。雌雄異株のつる性落葉木本。秋になると実が青黒く熟し、潰すとアンモナイトの形をした種子が一つ出てきます。有毒植物なので気をつけましょう。(2022.9)
つる植物2
左:センニンソウ(キンポウゲ科) 仙人草。花弁はなく4枚の萼片が花びらのようになっています。低木を覆い、沢山の花を咲かせます。有毒植物。右はヤブマメ(マメ科) 藪豆。林縁や草原に普通。地上の花の他に落花生のように枝が地中に伸びて実を付けます。先ずはその場所で次代を確保しようとする戦略です。
左:ガガイモ(キョウチクトウ科) 蘿藦。日当たりのよい草原や道端などに見られますが、最近とても少なくなりました。5つに裂けた花びらには毛が密生していて夏向きではないですね。果実は紡錘形をしていて10cm程になります。実が二つに割れると内側が光っているのでカガミイモと言われたとする説があります。右はヤブカラシ(ブドウ科) 藪枯らし。フェンスや藪を一面に覆って茂ります。小さい花弁はすぐ散ってしまいますが花が出す蜜を求めて多くの昆虫が集まります。3倍体で実を付けません。稀に結実する株があります。
左:アレチウリ(ウリ科) 荒れ地瓜。北米原産の帰化植物。輸入大豆に混じって入ってきたとされています。河川敷などで繁茂しています。雄花(左)と雌花(右)の別があります。駆除がやっかいな植物です。右:カラスウリ(ウリ科) 烏瓜。花弁の縁が細かく分かれてのびる。日没後に開花して朝にはしぼんでしまいます。赤い果実の中に小槌形の種子が入っています。(2022.7)
つる植物1
つる植物は他の植物にいろいろ工夫して這い上がります。一面に茂ると親植物を弱らせてしまうこともあります。何回かに分けて紹介していきます。
左はサルトリイバラ(サルトリイバラ科)。茎に棘があって猿も引っかかるとか。サンキライの名でも知られていて、柏の葉の代わりに使われる地方もあります。
右はアケビ(アケビ科)。5枚の丸い小葉が掌状に拡がります。実が熟すると開くので「開け実」、甘くて食用になります。町田の里山ではなかな結実しません。小葉が3枚のミツバアケビも食用になります。実が開かないのはムベ。
左はテイカカズラ(キョウチクトウ科)。手入れの悪い林では大木にびっしり巻き付いています。よい香りがします。生け垣に植えられていることもあります。
右はハンショウズル(キンポウゲ科)。花の形が半鐘(そろそろ死語になりかけている)に似ていると見立てました。出会う機会は少なく、県によっては絶滅危惧種に指定されています。
左はスイカズラ(スイカズラ科)。ニンドウ(忍冬)の名もあります。花は最初は白く、時間がたつと黄色くなります。花を抜いてしゃぶると甘い。
右はノブドウ(ブドウ科)。実は白色ですが虫が寄生すると青色や紫色になります。まずくて食用にはしません。(2022.6)
境川の小鳥2021
イソシギ(左)は映画の題名で名前は知っていました。磯にいる鳥かと思っていたら、境川でもよく見かけることを知りました。腹の白い部分が肩先に延びています。右は、イソシギだと思って撮ったら違っていて、コチドリでした。思わぬ収穫に嬉しくなりました。あまり見かけません。目の周りが黄色く、目立ちます。
人気No1、町田市の鳥にも選ばれているカワセミ(左)です。高みから狙い定めて飛び込み魚を捕らえます。よく見かけるようになりました。ツバメ(右)は飛ぶのが早くて撮れません。巣造りの時期には川に下りて泥をくわえていきます。巣を見つけたら、可愛いひなの写真を狙うことができます。カラスから守るのに苦労しているようです。(2022.1)
紅葉まつり
紅葉まつりといいながら赤い葉がありません。紅葉には黄葉も含まれると解釈して。ケヤキ(欅:左)20m以上になる高木。材は堅く木目が美しいので寺社建築や家具などに使われています。街路樹にも多く植えられています。町田市の木にもなっています。エノキ(榎:右)これも20m位になる高木。里山に多く見かけますが、枝が多く横に広がるので街路樹には向いていません。実は甘くて食べられます。
ホオノキ(朴ノ木:左)30mにもなる高木で、花が間近で見られない。単葉としては日本の樹木では最大。朴葉寿司、朴葉味噌などの材料として、また葉が食器代わりに利用されています。下駄の歯にも使われていました。アカメガシワ(赤芽柏:右)古名は楸(ひさぎ)。木偏に春、夏、冬はお馴染みですが、秋は?クイズの種になりそうです。新芽が赤く葉が柏のように大きい。10m位になる中低木で、里山にはたくさん生えていますが、余り知られていない種類です。
里山の代表的な落葉樹で、20mくらいになります。イヌシデ(犬四手:左)幹が灰白色で縦に筋が入ります。花穂がしめ縄につける紙垂(しで)に似ていると見られました。コナラ(小楢:右)古くから薪炭材やほだ木として利用され、定期的に萌芽更新されていました。利用が減って大木が目立つようになりました。近年ナラガレの被害が拡大しています。(2021.12)
赤い木の実
赤い実が下がっている樹木を集めてみました。ニシキギ(左)は名の通り葉も見事に色づきます。茎には翼状の突起が発達しています。右はウメモドキ。葉も花も梅に似ています。実が付いていないと分かりにくい。公園などに植えられていますが、自然状態では少なくなっているようです。
左はイイギリ。かつて葉で飯を包んだとか。高木で、目の高さで見られる所は少ない。葉が落ちても実は枝に残っています。右はカマツカ。堅い材で、鎌の柄に使われます。林縁によく生えている筈だが。なかなか見かけない。果柄にイボ状の皮目があるのが特徴。(2021.11)
トンボ
オニヤンマ(左)日本に広く分布する大型のトンボ。悠々と同じ所を行ったり来たり。子供達にも人気です。
シオカラトンボ(右)も広く分布し、誰もが知っているお馴染みのトンボ。メスは黄色で、ムギワラトンボとも言われています。
目玉から尾の先まで真っ赤なショウジョウトンボ♂(左)。メスは地味な茶色。湿地で縄張りを強く守っています。
右はハグロトンボ。茂みの縁でひらひらと頼りなく飛び交っています。止まるときは翅を閉じます。
ノシメトンボ(左)赤とんぼの仲間ですが、赤くなりません。翅の先が褐色になっています。
右はシオヤトンボ。シオカラトンボの仲間で日本特産の春のトンボ。翅の付け根が小さく茶色になります。(2021.10)
木の実2021
早春のコブシの花は夏になると不気味な形をした実(左)になります。何となく拳に見えますか?秋になると赤い種子が顔を覗かせます。一字違いのキブシ(右)も早春の山で、葉が出る前に小さい白い花を房状に咲かせます。緑色の実は言われないと気づきにくい。秋になると黒くなり、小さな種子が見られます。
道に小さな赤い実が落ちていたので見上げるとウワミズザクラで(左)した。桜とは属が異なります。小さく白い花が房状に付きます。実は赤く、熟すると黒くなります。果実酒にすることができます。右はハゼノキでウルシ科の植物。人によってはかぶれることがあります。かつて実から木蝋が採られました。(2021.9)
セミ
猛暑を喜んでいるのはセミ達です。右上の雄が鳴きながら左下の雌に近づいていきます。ミンミンゼミの恋は成就するのか。しばらく見守っていました。次の瞬間雌は飛んで行ってしまいました。残念でした。頑張れ、彼氏。
アブラゼミ(左)の鳴き声は暑さを擦り込まれるような感じがします。林の中より団地の木に多く見られました。ときどき家の中に飛び込んできたりします。
今年はニイニイゼミ(右)が多かったような気がします。最初に鳴きだす小型のセミです。この他、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシの声が聞かれます。撮影できたら追加していきます。(2021.8)
イトトンボ
糸蜻蛉の仲間(トンボ目イトトンボ亜目)の4種を紹介します。前翅と後翅がほぼ同じ形で、胴体が細くて丸いのが特徴です。水辺に多く、頼りなげなトンボです。生息環境が少なくなり、数を減らしている種類もあります。ビオトープの主役です。
左はアオイトトンボ(アオイトトンボ科)、広く分布。胸と腹に白粉を帯びています。右はクロイトトンボ(イトトンボ科)。胸と腹の先が青い。これも広く分布しています。
イトトンボの仲間は似ていて、区別するのが難しい。下はカワトンボ科の2種。どちらも広く分布。翅に色がついています。左はニホンカワトンボ。翅の色は褐色ですが、無色のタイプもあるそうです。右はハグロトンボ。名の通り翅が黒い。林の中でひらひら少し飛んでは止まります。(2021.7)
キイチゴ-2
梅雨の季節は花が少なくなりますが、木苺が熟して散歩のおやつを提供してくれます。イチゴは小さな果実がたくさん集まっている集合果をつけます。いろんな種類があるので、味わって違いを感じるのも楽しみの一つです。左はクサイチゴ、右はクマイチゴです。
左はナワシロイチゴ、農作業と関連したネーミングと思われます。右はモミジイチゴ、淡橙色の実をつけ、癖のない甘みを感じます。
オランダイチゴは木苺の果実を取ると残る部分、果床が膨らんで柔らかく、甘くなり、表面に痩せて種子に見える果実を付けています。(2021.6)
キイチゴ-1
左はニガイチゴ、右はフユイチゴで、いずれも相模原市で撮影しました。フユイチゴは名の通り、冬に熟します。
この二種は木苺ではありません。左はヒメコウゾ、繊維植物のコウゾに近い仲間です。癖がなくおいしい。右はヤマグワ、熟すると黒くなります。養蚕に使う桑はヤマグワとマグワがあり、よく似ています。これらは皆クワ科の植物です。(2021.6)
最近見た蝶2021-2
飛んでいるジャコウアゲハ(左)の撮影に挑戦しました。毎年見かけるので、近くに食草のウマノスズクサがあるはずです。境川団地の近くに繁殖場所があると聞きました。右のルリタテハは翅のルリ色の帯が目立ちます。成虫越冬するので、暖かい日には日だまりに出てきます。
コミスジ(左)は3本の白い筋が特徴です。林の周辺などでよく飛んでいます。似た種類がいくつかあります。テングチョウ(右)顔の先が天狗の鼻のように伸びています。図師緑地で休んでいたときに撮しました。日本ではこの一種のみ。成虫越冬します。(2021.5)
最近見た蝶2021-1
上はシジミチョウの仲間。名前の通りシジミのような小型の蝶。左はミズイロオナガシジミ。翅の裏は白地に黒い筋が二つ目立ちます。表はほとんど濃い灰色です。翅を閉じて止まるので、表は分かりません。右はムラサキシジミ。表は青紫色で黒く太い縁があります。裏は枯葉色ですが、開いて止まります。これも成虫越冬。
左はクロヒカゲ。ジャノメチョウの仲間は翅に蛇の目模様(◉)があります。多くは林の中や縁を飛んでいて、日向は好みません。とれも似ていて、区別するのが大変です。右はコチャバネセセリ。胴体の太い蝶で、素早く飛んでいます。これも区別するのが難しい仲間です。(2021.5)
ヒレンジャク
あちこちでヤドリギの塊をつけた木を見かけます。ケヤキやサクラの木に宿っています。常緑なので冬になると目立ちます。5ミリほどの半透明の実をつけます。
この実を目当てにレンジャク(連雀)が訪れます。種子の周りは粘液で包まれていて、このまま排出されます。納豆を箸で持ち上げるとつながって上がってきます。そんな感じで枝の上に落ち着いて芽を出すわけです。町田では主にヒレンジャクで尾の先が赤いのが特徴です。キレンジャクは黄色いそうです。まだ出会っていません。(2021.2)
里山の鳥
薬師池公園でカメラマンが集まっているので近づいてみました。初めて見る鳥でイカル(左)と教わりました。大きな黄色い嘴が印象的です。ひとしきり滞在してまたどこかに移動していきました。右はカワラヒワでスズメに似ています。嘴が白く、飛ぶと黄色い羽が目立ちます。いつも群れています。
左はヤマガラ。かつて、おみくじを引く芸などを覚えさせて飼っていました。枝から枝へ忙しく飛び回っていました。動きの速い鳥は撮るのが難しく、経験を積む必要があります。右はモズ。どちらも一年中観察できますが、夏はやや少ない。(2021.2)
カモのペアショット
カモの仲間は繁殖期になると雄の羽色が変わり美しくなります。雌は地味で私のような素人には区別しにくいのです。一緒に泳いでいてくれると同じ仲間だとわかります。
左はカルガモで夏も残って繁殖しています。雛を連れて行列している様子が報道されることもあります。嘴の先が黄色く、腰に三日月型の白い羽があります。右はマガモで雄は頭が緑色で嘴が黄色です。三日月型の模様もあります。マガモの飼育種がアヒルです。野生でもカルガモとの雑種が多く見られます。
オナガガモ(左)の雄は尾羽が細くとがり、嘴の両端が灰色で胸が白く、タキシードを着ているように見えませんか。右はコガモ。一番小型です。カモは声を聞くとがっかりしますが、コガモ(右)はピーピーとかわいい声で啼いています。雄は頭が茶色で、緑色の太い帯があります。尻に黄色い三角模様があります。(2021.1)
薬師池の水鳥
トモエガモ(巴鴨、左)はシベリアで繁殖し、冬に飛来します。目の後の大きな緑色の巴形をした模様が美しく、名の由来になっています。絶滅危惧種に指定され、なかなかお目にかかれないようです。オシドリ(鴛鴦、右)は日本北部で繁殖し、冬になると南下してきます。カラフルな羽が美しく被写体としても画題としても好まれています。薬師池では珍しいとの話です。近くで観察できました。
ホシハジロ(星羽白、左)もシベリアで繁殖し、冬に飛来します。頭から首にかけて赤褐色の羽毛に包まれています。胴の部分は白く、目が赤いのが特徴です。潜るカモで、境川では見られません。カイツブリ(右)の鳰(ニオ)は水に入る鳥を意味する和製漢字。本州では一年中留まる留鳥。薬師池でも繁殖しています。羽毛の色は地味で、よく潜り離れたところで顔を出します。カイツブリ科でカモではありません。行動もカモとは別行動。(2021.1)
ススキとオギ
茅・萱(カヤ)はイネ科植物の総称で、茅葺きの屋根の材料に使われるのは大型のイネ科植物、ススキが中心になります。その他オギやヨシなどが使われます。麦藁が使われることもあります。藁葺きの屋根がそうです。実際には複数の植物が使われるようです。
かつては茅場といって、ススキ等の草原を維持して何年か材料をためて葺き替えを行っていました。村中総出の共同作業だったようです。そして技術も保存されてきました。今では保存家屋があるのみで、職人も少なくなってしまいました。
ススキ(上左)とオギ(上右)、よく似ていて区別が難しい植物です。オギの方がやや湿ったところを好み、荻原は河原に発達します。写真でははっきりしませんが、ススキは叢生して大きな塊になります。オギは叢生しません。
穂を拡大してみるとススキは小穂から芒が突き出しています(下左)。オギ(下右)には白く長い毛があり、芒は発達しません。これで明確に区別することができます。(2020.11)
庭や路傍の草1
庭や路傍でよく見かける”雑草”を集めてみました。左はコニシキソウ、右はオオニシキソウ。錦草、茎の赤と葉の緑のコントラストが美しい事から。葉の中央に濃い斑があります。茎を切ると白い液が出てきます。コニシキソウは地を這って広がります。オオニシキソウは大型で枝が立ち上がります。共に北米原産です。
ミチヤナギ(左)は庭や路傍に生え、葉がヤナギに似ているところから名がつきました。葉の脇に小さい花をつけます。ハイミチヤナギ(右)はヨーロッパ原産の帰化植物。これも低く地面を覆います。NPO事務所の駐車場にありました。(2020.10)
庭や路傍の草2
ザクロソウ(左)葉につやがあり、ザクロに似ているとされました。古い帰化植物と考えられています。路傍や畑でよく見られます。ゴウシュウアリタソウ(右)も低く這う名の通り豪州原産の帰化植物。庭や駐車場などに生えています。
スベリヒユ(左)庭や路傍によく生えています。茎や葉は肉質で艶があります。茹でて食べられます。世界中に広く分布しています。栽培種ハナスベリヒユの原種です。アメリカアゼナ(右)は水田の雑草。我が家に浸透枡があり雨が降ると水があふれるので、その付近に生えています。植物は環境に敏感です。北米原産。コロナのおかげで、身近な植物に目が行きました。(2020.10)
カメムシ
カメムシはくさい虫として知られています。しかし、よく見るとなかなかおしゃれなデザインで身を包んでいます。キバラヘリカメムシ(左)は腹が幅広く左右にはみ出して見えています。クヌギカメムシ(右)は名の通り、クヌギの木で育ちます。ペアに邪魔者が入ったりして。
チャバネアオカメムシ(左)は作物特に果樹の害虫として嫌われています。キマダラカメムシ(右)は1956年の昆虫図鑑に”長崎地方のみに産す”とあります。その後分布を広げ、東京でも10年ほど前から記録されています。カメムシとしては大型の種類です。
オオクモヘリカメムシ(左)はスリムなカメムシ。稲の害虫として知られています。
昆虫は被写体の対象とはしていないのですが、長い間にはなんとなく増えてきました。最後はミンミンゼミ(右)。え!場違い? いえいえ半翅類でくくると入ってくるのです。ほかにヨコバイやアブラムシ(ゴキブリではありません)が含まれます。(2020.7)
木の実と花
赤い木の実は目立ちます。マユミは名前も近親感を覚えます。秋になるとピンクの実が割れて赤い種子が顔を覗かせる様子がなんともかわいくて、愛されています。さて、花は? 意外と地味で目立ちません。4枚の薄緑色の花弁に褐色の葯をつけたおしべが4本。花が終わると緑色の四角っぽい実が大きくなってきます。
秋に七国山の近くで赤い実をつけた木を見かけました。名前がわからなかったので、春に花を見てから調べようと思いました。コロナのおかげで、近くの散歩が多くなり、忘れずに訪れました。小さな花でうっかりすると気がつきません。アオハダでした。ヒメリンゴに似ていますが、アオハダは花柄が長いので、区別できます。(2020.6)
小さな花
散歩のついでに足元に目をやるといろいろな植物が花を開いています。今回は直径2mmほどの小さな花を集めてみました。写真を撮るのは大変で、少しでも風があると揺れてしまいます。手の震えもあります。オートのカメラはこんな小さなものにはピントを合わせてくれません。何回も試みていると少しピントが合うことがあります。そんな訳で、甘い写真で申し訳ありません。左はノミノツヅリ、右はノミノフスマです。ノミノフスマは5枚の花弁に深い切れ込みがあり、10枚のように見えます。
小さくても構造はきちんとしています。自然は手を抜いてはいないのです。左はキュウリグサ、手で揉むとキュウリの匂いがするというのですが、私の鼻は感じません。花が終わると花茎が伸びてペンペングサのような感じになります。右はタチイヌノフグリ。オオイヌノフグリはよく知られていて、青い可愛い花が一面に咲きます。近い仲間ですが、花はずっと小さく、葉に隠れていて、よく見ないとわかりません。
左はヤエムグラ。あまり写真を撮る気にならない植物です。古歌に「八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」と詠われていますが、これはカナムグラのことだと考えられています。このヤエムグラも放置されたところでは結構茂ります。右はノヂシャ。固まって咲くので、見つければ目立ちます。これは淡青色ですが、花が白いシロノヂシャもあります。今回はちょっとマニアックだったかな。(2020.4)
かたかごの森
かたかごの森が開園しました。かたかご(堅香子)はカタクリの古名です。「もののふの、八十(やそ)娘子(をとめ)らが、汲み乱(まが)ふ、寺井(てらゐ)の上の、堅香子の花」(大伴家持) かつては里山の斜面一面に咲いていたものと思われ、鱗茎から片栗粉が作られていました。片倉城跡公園では群生の様子を見ることができます。右上のワダソウは神奈川県では絶滅危惧種に指定されています。昨年ここで見たときには感激しました。今年も元気に咲いていました。
左のイチリンソウを見るのも苦労します。緑地や旧家の庭などに少し残っています。花弁はなくて萼(がく)が花弁のようになっています。鶴間公園に群落がありましたが、整備されて無くなってしまったようです。近くの畑にタネツケバナ(右)が咲いていました。最近路傍などミチタネツケバナ(右)が大繁茂しています。実の莢が茎に沿って立っているのが特徴です。 (2020.4)
春の薬師池公園
薬師池公園のカタクリを見に行きました。例年より早くちょうど見ごろでした。かつては一面に咲いていたのかもしれません。片倉城跡公園では数万株のカタクリが生えています。柵の外にも広がっていてもっと増えるといいですね。(左からウグイスカグラ、カタクリです)
もう一つムサシアブミも目的の一つでした。大型の葉が莢から顔を出して花も一緒に咲いています。年々増えて斜面一面に広がっています。サトイモ科の植物で、ミズバショウやウラシマソウなども仲間です。ヤマルリソウも里山では見かけなくなった植物です。(左からムサシアブミ、ヤマルリソウです)(2020.3)
今年は早い春
コロナ騒ぎで用事がなくなってしまいました。既にサクラの開花宣言も出されました。町田でもちらほら咲き始めました。野の花も賑やかになってきました。町中の通りにはセイヨウタンポポが春の日を浴びています。忠生公園ではカントウタンポポを見ることができます。野イチゴの仲間のクサイチゴもフェンスわきに咲いていました。セイヨウタンポポ(上左)、カントウタンポポ(上右)、クサイチゴ(下左)、ヒメオドリコソウ(下右)です。
ヒメオドリコソウはたくさん生えています。オドリコソウは少なくて見つけるのは大変です。ホトケノザは春の七草として知られています。七草のホトケノザは田んぼに生えるコオニタビラコだということです。カキドオシは”垣通し”で、茎をのばして垣根をくぐっていきます。左からホトケノザ、カキドオシです。(2020.3)