多摩の自然雑記帳 番外編
他のサイトで自然雑記帳のサイドメニューとしてトピック的に紹介してきたものの中から捨てるのは惜しいものをまとめてみました。特にポリシーはなく何でもありです。
2023.7.2掲載
多摩の自然雑記帳 番外編 目次
オキナグサ、ワダソウ
左:オキナグサ(キンポウゲ科)。日当たりの良い草地に生えています。種子のまわりに白くて長い毛があり、老人の白髪に見立てられました。花弁と見えるのは萼片で外側は白い毛で覆われた赤紫色の花を咲かせます。ごく稀で、相模原市牧野の民家の裏山に案内して貰いました。[2204]
右:ワダソウ(ナデシコ科)。長野県和田峠で発見されました。カタクリの咲く頃、小さくて白い花を咲かせます。赤褐色の葯はアクセントになっています。幻のワダソウはかたかごの森で見られます。[2004]
コケリンドウ、クマガイソウ
左:コケリンドウ(リンドウ科)。春に咲くリンドウにフデリンドウがあります。少ないとは言え、探せば何カ所で見つかります。同じく小型のコケリンドウは城山湖の近くに見に行ったことがあります。何と小山田緑地にもあると教えられて撮影しました。ハルリンドウは東京、神奈川にはありません。[2204]
右:クマガイソウ(ラン科)。向かい合った2枚の大型の葉と、スリッパのような大きな花は目を惹きます。多くのラン科の植物は絶滅の危機に瀕しています。クマガイソウも例外ではありません。市内のお寺で保護されています。[2304](2023.7)
フクジュソウ、セツブンソウ
左:フクジュソウ(キンポウゲ科)。名前が縁起が良いので、庭などによく植えられています。春他の植物に先駆けて開花します。野生のものはごく少なく、相模原市鳥屋で撮影しました。[1903]
右:セツブンソウ(キンポウゲ科)。これも節分の頃から開花します。自生地はごく少なく、栃木県栃木市(星野の里)など多くの人は訪れます。昭和記念公園で保護されています。[2304]
ツクバキンモンソウ、ムラサキニガナ
左:ツクバキンモンソウ(シソ科)。三輪緑地で見慣れないシソ科の植物を見かけました。筑波山で発見されました。上側の2枚の花弁が短く、はの葉脈に沿って紫色の筋が入ります。[2204]
右:ムラサキニガナ(キク科)。これも三輪緑地で。切れ込みの深い大きな葉で、茎は人の背ほどにのび、薄紫色の花を付けます。藪の中では写真が撮りにくい植物です。[2306](2023.7)
ケンポナシ
ケンポナシ、(クロウメモドキ科)。野津田公園に上る路の脇にあります。木は周辺の水分や養分の通り道さえあれば生きられる見本のような姿です。さすがに強度は保てないので、支えが必要ですが今年も元気に葉を伸ばしている姿は感動的です。町田市の保護樹木に指定されています。[2303、2304](2023.7)
ハンカチノキ、サツキ
左:ハンカチノキ(ミズキ科)。中国原産。花弁はなく、2枚の白い萼片が大きく伸びて目立ちます。まさにハンカチがぶら下がっているように見えます。忠生公園にあります。木が大きくなってよく咲くようになりました。[2304]
右:サツキ(ツツジ科)。街路樹や庭木としてお馴染みです。野生のものは険しい渓谷の底、水しぶきがかかるような岩場に生えていますが、ごく少なくなりました。道志川で撮影しました。[1407](2023.7)
センブリ、マヤラン
左:センブリ(リンドウ科)。苦みが強く、千回振ってもまだ苦いと言うのでこの名になりました。日当たりの良い丘陵地などに生えます。秋に小さい白い花を咲かせます。三ツ目山公園で見かけたのですが、もうなくなっているでしょう。 [1410]。
右はマヤラン(ラン科)。これも三ツ目山公園で見た小さなラン。コナラの傍に生えていました。 小さくて気づきにくいのですが、なかなか可愛いランです。[1510](2023.7)
オヤマボクチ、オガルカヤ
左:オヤマボクチ(キク科)。葉の裏に密生している白い毛を集めて、火起こしの火口(ほくち)として使ったそうです。市内でも自然の豊かな公園や緑地に生えています。夏には大きい葉だけが目立ちます。[1511]。
右はオガルカヤ(イネ科)。大型のイネ科植物を萱(かや)と呼ぶようで、屋根の材料に使われます。最近は外来種のメリケンカルカヤが目立ちます。オガルカヤを市内で探すのは大変です。小山田のゴルフ場を通る道脇にありました。メガルカヤはもうない? [1510](2023.7)
ジョウロウホトトギス、ギンモクセイ
左はジョウロウホトトギス(ユリ科)。2023年NHKの朝ドラ「らんまん」のタイトルバックに出ていました。高知県に分布しています。美しいので植栽されています。市内お寺の石垣に生えていました。[2210]
右はギンモクセイ(モクセイ科)。キンモクセイに似ていますが花は淡黄色で香りも弱く、稀に植栽されています。キンモクセイは日本には雄株しかないので結実しませんが、ギンモクセイは1cmくらいの黒い実がつきます。[2109](2023.7)
ロウヤガキ、メグスリノキ
左はロウヤガキ(カキノキ科)。老鴉柿。萼片は細長く、ツクバネガキの別名があります。渋柿で、盆栽や庭木として利用されています。寺家の放置された家屋にありました。花の時期を狙って行ったらなくなっていました。[2112]
右はメグスリノキ(ムクロジ科)。樹皮を煎じて洗眼薬としたことから名がつきました。三枚の小葉からなる複葉が特徴です。山地に生える日本特産種。高尾山のケーブルを下りて歩き出したすぐのところにあります。紅葉が美しい。それにしてもカエデ科がムクロジ科になるとは。日本の学者だったらカエデ科が残ったのではないでしょうか。[2212](2023.7)
カエンダケ、アカガシラサギ
左はカエンダケ(ボタンタケ科)。燃えさかる火炎のような形をした猛毒のキノコです。ミズナラやコナラの枯れ木の根際に発生します。最近ナラガレの被害樹がふえたことと関連するのか各地で発生しています。絶対に触らないように注意して下さい。[2207]
右はアカガシラサギ(サギ科)。越冬のため南の島に飛来します。2022年冬、境川に現れて話題になりました。夏になると頭から頸にかけて赤褐色になって美しく目立ちます。[2212](2023.7)