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ヒロ

【ビッグアイランドと呼ばれるハワイ島は、ハワイ諸島の中で一番大きく、面積は他の主なハワイの島々の面積を合わせたほぼ2倍、岐阜県と同じ大きさがある。ヒロはハワイ島の政治・経済の中心地でもあり、島内で最も歴史の古い町。】

ハワイ島

海に流れ落ちる溶岩流

海に流れ落ちる溶岩流2海に流れ落ちる溶岩流3

 5月27日15時頃、ハワイ島の東側に接近、左端の岬の先に水蒸気が立ち上っているのが見える。船がその岬を回って進むと、1990年9月に溶岩流に飲み込まれたカラパナ地区に近づいた。そこでは溶岩流が海に流れ落ちていて、水蒸気の雲が湧いている。正面に3本、左の方にもう1本。船はゆっくりと行ったり来たり、夜になるのを待っている。その間溶岩流を見ながら食事をしたり、お風呂に入ったり、船旅ならではの贅沢を味わっている。これはインフルエンザの騒ぎでメキシコに寄港できなかった分時間に余裕ができ、思わぬサービスとなったわけである。(写真 海に流れ落ちる溶岩流)

 暗くなると溶岩流が海に落ち込むところが赤く燃え上がっている様子が見える。火は時に燃え上がるように大きくなったり小さくなったりしている。上天には北斗七星が、南十字星はほとんど目の高さに下がっている。

 5月28日6時頃、ハワイ島ヒロ港に着岸。隣でコンテナの荷役をやっている、景色としては殺風景な港である。

ヒロ

 午後のシャトルバスで市内に向かった。必要な買い物をした後。本屋で「Trees of HAWAI’I」「Growing Palm Tree in HAWAI’I」を入手。さして大きくはない店内に動植物の書籍は色々用意されていて、売れる安っぽい本しか置いていないどこかの国との違いを感じた。

桟橋の先にはHilo Airportがあるアメリカネム

 この時期開花している植物は少なく、コマーシャルで見る「この木何の木」アメリカネム(monkey pod)の姿の良い木があちこちに見られた。ゴールデンシャワーの木に長いソーセージ様の実が沢山ぶら下がっている。地面に落ちているものを見ると、中に黒いコイン状の種子が詰まっている。種子の周りは粘液質で包まれていて、ひどい悪臭がする。(写真左:桟橋の先にはHilo Airportがある 右:アメリカネム)

キラウエア火山

公園の標識黒砂海岸

 5月29日は「キラウエア火山観光」ツアーに参加。ガイドはベテランの浦崎さん。要人や有名人など多くの経験を経てきただけあって語り口は痛快で面白い。バスはキラウエア山を越えてプナルウ黒砂海岸(Punaluu Black Sands Beach)に向かうのだが、平坦で真っ直ぐな道で、上っている感じはしない。それでもいつの間にか1,000mラインを通過して下りにかかる。左に曲がってすぐ海岸に着いた。熔岩が砕かれて出来たので黒い砂となっている。早速カメが一匹甲羅を干しているのに出合った。置物のように全く動かない。少し先では潮だまりの中で別の一匹が泳いでいた。標識とトイレがあるだけ。(写真 左:公園の標識 右:黒砂海岸)

キラウエア・カルデラKilauea Iki Crater

 今来た道をしばらく戻って、右折するとキラウエア火山のクレーターの縁に出た。曲がりくねった道はなく、1,200m程度とはいえ、山頂に着いた気がしない。ジャガー博物館(Jaggar Museum)から巨大なキラウエア・カルデラ(Kilauea Caldera)が目の前に広がり、Halema’uma’u Craterから噴煙が立ち上っているのが見えた。風向きの関係で靄がかかっていたのは残念であった。(写真左:キラウエア・カルデラ 右:Kilauea Iki Crater)

オヒアに咲くレフア黄色いハイビスカスは州の花

 このあたりには「熔岩の木」(オヒア)が多く、赤い花(レフア)を付けている。Steam Ventsに戻り、地熱で暖められた蒸気が噴き出している様子を見学した。Kilauea Visitor Centerに隣接するVolcano Houseで昼食の後Kilauea Ikiの展望台で下車。ここから眺めるKilauea Iki Craterで1959年11月14日に噴火が始まり、600mにもなる火焔を間近に観察することができたと、ガイドの浦崎さんはいまだに興奮した様子で語っていた。少し進んで熔岩洞窟(Thurston Lava Tube)に入った。溶岩流には速いものと遅いものとがあり、速い熔岩を遅い熔岩が突き抜けて出来たものとの説明があった。最後にヒロ市街の近くにある「虹の滝」に向かったが、乾期のため水は流れていなかった。(写真左:オヒアに咲くレフア 右:黄色いハイビスカスは州の花)